輝いているあの人に聞く目からウロコのストーリー

佐枝せつこの「ゲストルーム」

歴女が掴んだ最高の幸せとは!
第10回のゲスト
「名古屋歴史ナイト」主催
歴史旅ブログ「カツイエ.com」運営 
北村美桂さん

北村美桂さんと初めてお目にかかったのは今から10年前のこと。当時六本木にあったライブドアの会議室で「独女通信」の担当編集者だった北村さんは「私も独女です!」と明るい笑みを浮かべていらした。同じ岐阜県出身と聞いて妙に親近感が湧いたのだが、担当が変わりお会いする機会がなくなった。以来、明るい太陽のような存在だった北村さんのことはずっと気になっていた。
 

そんな北村さんと昨年Facebookを通して再会。現在は、地元に戻り女子による歴史旅ブログ「カツイエ.com」を運営、歴史に詳しくない人のための「名古屋歴史ナイト」を主催しているという。

 

なぜ歴史に詳しくないのに歴史イベントを開催?

 

「女子による歴史旅ブログ「カツイエ.com」を立ち上げたのも私自身、柴田勝家が大好きだからです。勝家は力だけの武将と思われているけど実はそうではなくて、当時、上杉謙信を抑えていた名将で信長の信任も厚かったことなどを周りの人に話していたんです」

 

柴田勝家の不器用で黙って耐える優しさを知ってほしい!

 

「そんな彼の良さを伝えているうちにもっと勝家の話が聞きたいという人が増えてきたんです。それで名古屋歴史ナイトを立ち上げてみようかという話になりました」


「名古屋歴史ナイト」とは?


「『賤ヶ岳の戦い』や『本能寺の変』『姉川の戦い』など戦国時代の合戦ごとにテーマを決めて、歴史に詳しい人から興味はあるけどあまり詳しくない人たちまで、3ヶ月に一度集まって話をする会です」

 

戦国時代の合戦の解説を聞き、陣中飯を食べながら、仲間同士で語り合うのが目的なのだそう。『歴史ってこういう面が面白いんだよ』という話を、参加者それぞれの目線でお話するのだという。

 

「2013年にスタートしたときには私一人で開催したのですが、2回目からはライターの小林優太さんとの共同主催になり、今年の6月4日には10回目記念イベントを開催しました。イベントのトレードマークは新聞紙カブトをかぶること。遠方からの参加者や一人で参加される方もあります。一度参加した人はリピータになってくれるので、定員30名の会場は、毎回、満員です」

 

10回目の名古屋城ナイトは発売から3日で完売。「これにはみなさん、正気か?とびっくりしました」と北村さんは笑うが、以下のレポートをご覧になれば回を重ねるうちにイベントが本格化しているのがよくわかる。

歴史ナイトについて(過去のレポートなど)
http://katsuie.com/rekishi/

「今後は歴史を知らない人が戦国文化を楽しんだり、意外な体験を盛り込んだ面白い会にしていきたいです」と北村さん。最近では老人介護施設への出張や子供向け歴史講座も開催されている。

なぜ東京から地元にリターンを?

 

名古屋で活躍中の北村さんだが、東京でライターをしていた時代もあるという。

 

「名古屋の大学を卒業後、ライターを目指して東京に移り住み、比較的早くライターデビューはできました。当時は、男性週刊誌の仕事をしていて、いかに仕事をもらうかでネタ探しには随分苦労しました。今でもそうですが、どんな仕事もコンセプトは『足で稼ぐこと』です。自分の足でネタ探しをするべきだと思っています。週刊誌の仕事からウェブメディアの仕事に変わってからも、自分の足でネタをとりに行くことにこだわりがありました」
 

「でも今の風潮はネットで探せば簡単にネタが見つかるし、それで記事を書くといった安易なやり方が横行している。手間のかかる記事作りは、当時は推奨されていなくて、そこにも強い違和感がありました」

 

そんな時、企画会議には上がらない「地方」という存在に惹かれるようになった。まだ誰も気づかない面白い何かを見つけて発信したい! そう思った時には、すでに東京を離れていたそうだ。

 

「私はじっくり考えるより行動をするタイプなんです(笑)。地域メディアを立ち上げる仕事をしようと三重県に移り住んだこともあります。注目されていない地方の町の良さを見つけて、それを紹介したり、地域で眠っているものを掘り起こすことにも興味があります」

 

手垢のついたものは嫌いだという北村さん。今は中部地方の地元の歴史を伝えようと取り組んでいる人を取り上げ、彼らの存在を広く知って欲しいそうだ。

 

「歴史について面白い知識はあるのに、それを多くの人に知ってもらう機会がない。そんな方をスカウトして、ぜひ名古屋城歴史ナイトのイベント会場に登場していただきたいです」

 

今夏、東京での歴史イベントにも登壇することになった。

北村さんが語るテーマは、「歴史大好きおじさんの笑顔は100万ボルト -Uターンした私が思う、地方における歴史活動の醍醐味」(歴史に詳しい女性も多いが、今回紹介するのは男性のみのため、このテーマになったそう)


なんと魅力的なテーマだろう!東京の次はぜひ名古屋でもこのテーマで話を聞かせて頂きたい。

歴女の結婚

「名古屋歴史ナイト」をはじめ、地元での仕事が好調な北村さんだが女性としての悩みも…。

 

「結婚したいと思っていましたが、この地方の男性は結婚が早いのか、東京ではたくさんいた独身男性が私の周りにはいないんです。それでお見合いを仕事にしている仲人さんにお願いしたんです」

 

ところが、40歳を目前にした年齢とライターという仕事がハンディとなった。「活動的すぎて家事もろくにしないのでは…」と仲人さんに敬遠されたり、お見合いにこぎつけても相手とはうまくいかなかったり。もう結婚はできないかと思い始めた頃に、北村さんの前に一人の男性が現れる。

 

「私のブログの読者だったんです。彼の方から会いに来てくれたのに、会ってみると私の印象がちょっと違っていたみたいで、タイプじゃなかったというか(笑)。でも、お互いにプロレスが大好きで、一緒にプロレスを観に行ったことで流れが変わりました」

 

ブロレス観戦の帰り、勝家への思いを熱く語る北村さんと歴史好きな彼との会話は弾み、とりわけ敗戦武将をどう描くかなど歴史の話で大いに盛り上がった。気が付けば歴史観だけでなく価値観まで同じだと分かり、ふたりの距離が一気に縮まった。

 

2016年4月24日入籍。

天正11年4月24日(旧暦)は柴田勝家がお市とともに北ノ庄で自害した日。柴田勝家とお市は政略結婚だったとはいえ、最後は一緒に自害している。夫婦の結びつきの強さを思い、結婚するならこの日以外にないだろうと入籍したとのこと。

お二人の結婚の仲人はまさに柴田勝家ではないだろうか。勝家への熱い思いからイベントを立ち上げ、私生活では結婚相手をゲットした北村さん。

2016年後半も、面白いものを自分の足で発掘すべく、ひたむきに突き進んでいくのだろう。そんな北村さんを、応援団の一人として今後も見守り続けたい。

■北村美桂さん プロフィール

77年生まれ。岐阜県出身。男性週刊誌のライターを経て、株式会社ライブドアに入社し独立。歴史旅ブログ「カツイエ.com」の運営と、Google Analyticsを活用したライティングを行うWebライター。参加者全員が新聞紙カブトをかぶる歴史イベント「名古屋歴史ナイト」も3ヶ月に1回開催中。

<Sairuma!(さいるま)とは>
日々の生活を彩る+末永くお届けできるようにとの願いと覚悟を込めて「彩る+ル・マン/24時間耐久レース」から「Sairuma!」と命名しました。