輝いているあの人に聞く目からウロコのストーリー

佐枝せつこの「ゲストルーム」
 

第5回のゲスト
夫がうざいと嘆く妻たち必見 
「私たちいつも一緒なんです」という仲良し夫婦

退職をした夫が在宅になった途端、妻が「夫原病」になるケースが多いらしい。「夫が朝からずっとキッチンにいるのでイライラして」「夫の話しかけてくる声がむかつくんです」


夫婦で仲良く旅行なんてとんでもない。同じ部屋で寝るのも嫌なら一緒に食事をするのも嫌。夫の足音が耳について耳鳴りはするし、夫の存在そのものがうざいんです。そんなシニア妻たちの悲鳴が聞こえる中、どうしていつも一緒なの?と首を傾げたくなるような仲良し夫婦がいる。

田中実さん(66歳)みよ子さん(66歳)ご夫妻(元編集プロダクション経営)だ。おふたりは高校時代に知り合い、結婚して40年以上の月日が流れている。昼間のオフィスでも一緒。帰宅してからも一緒。週末に二人で行くドライブや年に数回行く海外旅行も一緒。そんなに一緒でよくも飽きないですねという意地悪な質問は飲み込んで、みよ子さんにお聞きした。

 

夫婦で仲良くするコツはなんですか?

「コツなんてありませんよ。私たち夫婦は一緒にいた方がそれぞれが便利なんですよ」

実さんはとにかくマメな性格で、旅行の計画をたてたり、ランチの美味しい店を探したり遊びの企画を頻繁にたててくれる。マメなのはみよ子さんに対してだけではなく、誰に対しても親切で、人の輪を作るのが上手な人だという。先日もボランティア活動で知り合った方たちに声をかけて美味しいオムライスランチと国会議事堂を見学するツアーを企画実行したそうだ。

みよ子さんは実さんの計画したことに反対することはなくいつも行動を共にしている。
国内国外問わず旅行も実さん主流だ。    

一緒にいて嫌な時はないんですか?

「旅行は私も好きだし、実さんといると楽しいから。お金を使わず楽しいことを考えるのが実さんは上手なんです」

金銭感覚や価値観も合う。よほど相性の良い御夫婦なのだろう。

実さんにもお聞きした。奥さんはどんな人ですか?

「料理は作ってくれるし、家の中のことはきちんとやってくれます。仕事でもみよ子さんに助けられたことはたくさんあります」

自分のできない部分を補ってくれるありがたい存在だとのこと。傍で見ていると、実さんはみよ子さんに頼っていらっしゃるようにも伺える。

ニュージーランドに行ったときのこと。現地で英会話教室に入ったのだが、いつも二人でくっついていたので、外国人の教師から無理やり放されたという。

「二人でいたら日本語で喋るから英語を覚えらないですよね」(笑)    
    
夫婦に限らず性格の合う人は合うし、合わない人は努力しても合わない。田中夫妻は幸運なことに夫婦の相性がピッタリだったわけだが、世の中にはそうでない夫婦の方が多い。

世間では夫がうざくて困っている女性が多いのですが、何かアドバイスはありませんか?

「価値観が違うのに無理に相手を理解しようとしてもダメだと思います。理解しなくてはと無理に気を使うと疲れるから、相手の存在が疎ましくなるのではないでしょうか?」
とみよ子さん。

大切なのは無理に相手に合わせようとしない。自分が自然体でいること。    

2014年6月、田中夫妻はレオンからサンチャゴ・デ・コンポステーラの巡礼の旅を遂行された。

「贅沢とは無縁の生活をしてきました。日本はいかに余分なものがあるのかを実感しました。毎日洗たくをするので、着るものは二枚あればいいんです。身軽になれば心が豊かになります。心が豊かになれば思い悩むこともなくなります」

現地ではどんな出会いがありましたか?

「サンティアゴに到着した当日は、大聖堂近くのアルベルゲで知りあったばかりのカナダからの女性と一緒に宿をとったり、フランスからやってきたおばちゃんグループやロンドンからやってきた学生さんとも言葉はわからなくても親しくなりました」

誰にでも親切なのは実さんだけではない。みよ子さんも困っている人をみるとほおっておけない姉御肌の女性だ。ご夫妻に共通するのは、広く世間に、世界に向けて目を向けておられること。世界中の人と友達になりたいと思っておられることだ。

家の中にいる夫の存在がうざいのは、目が夫にだけ向いているからではないだろうか? 夫と価値観が違っても所詮他人同士なのだから気にしない。興味の対象を外にどんどん見つける。心を広く自由にできれば、今よりきっと楽しくなれる。シニア妻たちも夫に寛容になれるかも・・・。そんな気がした。

聖地サンティアゴ巡礼の様子はFacebookにアップされている↓

 

田中実さんが制作された動画

聖地サンティアゴ巡礼 Camino de Santiago
音楽もいい。

<Sairuma!(さいるま)とは>
日々の生活を彩る+末永くお届けできるようにとの願いと覚悟を込めて「彩る+ル・マン/24時間耐久レース」から「Sairuma!」と命名しました。